キャスト地金について
鋳造地金の基礎知識
割金(わりがね)
鋳造性を高めるため、硬度を増すため、あるいは色味を変化させるために、純銀や純金・純プラチナなどに他の金属を混ぜて使います。その混ぜる金属を割金と呼びます。
色味について
地金の割金は各工場によって異なります。例えば同じK10YGでも、ピンク味がある薄金色だったり、白に近い薄金色だったりと、業者によって色味が異なります。また、バレル研磨の時点ではあまり発色していなくても、研磨することによって本来の色味が強く出てきます。
取扱い鋳造地金リスト
真鍮
亜鉛40%、銅60%で出来ており、黄銅(おうどう)とも呼ばれます。シルバーより安価ですが地金が流れづらく、ス穴やキャスト不良が出やすいので、ご了承の上でご依頼下さい。いぶし仕上げをする場合は真鍮専用のいぶし液をご使用下さい。
シルバー系地金
SV950(シルバー950、Ag950)
95%が銀、残り5%が銅。ブリタニアシルバーとも呼ばれます。925より若干軟らかいので、キャスト後に曲げる等の加工をする方向けです。
SV925 (シルバー925、Ag925)
92.5%が銀、残り7.5%が銅。スターリングシルバーとも呼ばれます。最も一般的なキャスト地金です。硬くて耐久性があり、シルバーアクセサリーは大抵SV925で作られています。
ピンクシルバー
銅を多めに配合したシルバー。バレル上がりは銀色でSV925等と見分けがつきづらいですが、磨くと薄いピンク色が出てきます。銅分が多いため変色しやすいです。煮色着色(にいろちゃくしょく)はできません。
ゴールド系地金
K18YG(18金イエローゴールド)【 K18 (6:4) 】
K24の内18(75%)が金、残り25%が銀と銅。硬さがちょうど良く、磨き加工などで扱いやすいのでよく宝飾品に使用されます。
K14YG(14金イエローゴールド)【 K14 (5:5) 】
K24の内14(58%)が金、残り42%が銀と銅。日本での流通量は少ないですが、海外ではK18よりもよく使われています。
K10YG(10金イエローゴールド)【 K10 (5:5) 】
K24の内10(42%)が金、残り58%が銀と銅。金が少なく銅が多いので、磨くとピンク色がかった薄金色になります。市販品にはK18YGのメッキがかかっていることがありますが、地金自体は薄金色をしています。
K18PG(18金ピンクゴールド)
K24の内18(75%)が金、残り25%が銀と銅。K18YGよりも銅の割合が多いため、ピンク色が強く発色します。少量のパラジウムも入っているため融点が高めです。
K10PG(10金ピンクゴールド)【 K10 (2:8) 】
K24の内10(42%)が金、残り58%が銀と銅。K10YGよりも銅の割合が多いため、ピンク色が強く発色します。パラジウムは入っていません。K18PGよりも柔らかいピンク色です。
K18WG(18金ホワイトゴールド)【 K18WG 】
K24の内18(75%)が金、残り25%が銀と銅とパラジウム。パラジウムを10%ほど含む為、他の金に比べて硬く、融点も高いです。市販品にはロジウムメッキがかかっていることがほとんどです。
K10WG(10金ホワイトゴールド)【 K10 (9:1) 】
K24の内10(42%)が金、残り58%が銀と銅。パラジウムは入っていません。薄い金色をしており、「シャンパンゴールド」と呼ばれている地金と近い色味です(同じではありません)
プラチナ系地金
Pt900(プラチナ900)
90%がプラチナ、10%がパラジウム。ほとんどのプラチナジュエリーはこのPt900で作成されています。
Pt950(プラチナ950)
95%がプラチナ、5%がパラジウム。純度が高いためPt900より軟らかく、粘りもあるため、細かったり薄いデザインだとキャストの際に最後まで流れきらない事があります。
Pt900ルテ割り(プラチナ900ルテ割り)
90%がプラチナ、約9%がパラジウム、約1%がルテニウム。Pt900よりも硬いですが、硬い分鋳造性も劣るので、細い・薄いデザインだとキャストの際に最後まで流れきらない事があります。
取り扱っていない地金
純銀(SV1000)、純金(K24)、純プラチナ(Pt1000)、Pt850、Pt800、Pt100、K14PG、K14WG、イエローシルバー、赤銅(しゃくどう)、四分一(しぶいち)、グリーンゴールド、シャンパンゴールド